大うし展

のんびりと草など食べています

集合住宅の花壇はつつまし可愛い

花の名所に行けない春

今年の春、多くの人がステイホームな生活を送ることになったのは承知のとおり。気持ちよく晴れた休日に、自由に出かけられないのは誰にとってもストレスだった。

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ベランダからエビフライ雲を見る日々

4月5月は花の季節。いつもなら都内の花の名所に出かけるのだが、今年はそのほとんどを我慢せざるを得なかった。 

昭和記念公園のチューリップ、根津神社ツツジ亀戸天神の藤、神代植物公園の薔薇、新宿御苑の桜……。見られなかったこれらの花を思い出し、ため息をつきながら近所を自転車をこいでいて、ふと気づいた。

花って街中にもけっこう咲いてるじゃないか。

 

街中で見る花も十分に美しい

僕が住んでいる街は緑が多く、住宅地の庭先できれいな花を見かけることも多い。

今年は花の名所に行けなかったこともあってか、街中で出会う花が特にまぶしく見える。そんな中でも特に、集合住宅の花壇のつつましい可愛らしさに気づいてしまった。さっそく近所を見て回ってみた。

※敷地には入らず公道から花を見ています

※住人の方の迷惑にならないよう配慮しています

 

集合住宅を求めて

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市内には畑も多く、花がなくても癒される

通りがかった畑では、茄子などの夏野菜がスクスクと育っていて嬉しくなる。市内に点在する無人販売所で買える日が待ち遠しい。

さて、畑を過ぎるとすぐに最初の集合住宅に着いた。

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シンプルな作りの集合住宅

建築にそれほど詳しくない自分には個性が無さそうに見えるアパートだ。そんなアパートの花壇がこちら。失礼して、道路からフェンス越しに撮らせてもらった。

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多種多様な植物が植えられている

花が遠くてもうしわけないが、ピンクの花や黄色い花が咲いているのが見える。手前の緑の植物も時期がくれば花が咲くのだろう。ちゃんと手がかけられている印象だ。

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シバザクラだろうか? 小さくて可愛い花だ

別の位置からシバザクラらしき花を撮った。名所じゃなくてもこんなにきれいな花が見られるのだ。うーん、いいな。

よし、次の集合住宅に行ってみよう!

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正直、夜は怖そう……

先ほどの集合住宅からほど近い場所にあるこちら。かなり年季の入ったアパートで、ホラーゲームの傑作『SIREN2』の団地を思い出してしまった。

そんな集合住宅の花壇を見させてもらおう。

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雑然とした中に見える愛情

一見すると、放ったらかしに見えるかもしれないが、奥のピンクの花は見事な美しさ。自然にこうは咲かないはず。

そして、写真中央右あたりに赤い実が見えるだろうか? これは……イチゴ! 花が多い公園でもイチゴを見ることはないので、これは花壇ならではの嬉しいサプライズ。

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フェンスを越えて咲き乱れる花々

これはマーガレット(左)とヒルザキツキミソウ(右)だろうか?
フェンスをまったく気にせず咲いているのが良い。どちらも見ごたえがある。
ツキミソウと言えば、今年亡くなられた野球人・野村克也氏の言葉「王、長嶋はひまわり。私は月見草」が思い出される。大スターと比べて地味な己を表した言葉だと思うが、実際に見てみると月見草(の仲間)はとても可憐で素敵な花で、ひまわりよりずっと日本人の好みに合う印象だ。

 

お次は、給水塔がランドマークの大きな団地。

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ノスタルジーを刺激する給水塔

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カッコいいイスが捨ててあった

昭和感のある給水塔とは対照的な、鮮やかな赤いイスが捨ててあった。最近話題の「eスポーツ」用のイスだろうか?
そんな古い時代と新しい時代が交錯する集合住宅の花壇がこちらだ。

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たぶんムクゲかな?

ムクゲは背の高い植物で、フェンスより上に咲く花は遠くからも目立つ。

右奥には鮮やかな赤と青の花が寄せ植えになっていて、いかにも花好きの住人が大切に育てている感じがする。

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オオキンケイギク? 花の名前は難しい

こちらはオオキンケイギク? 黄色が鮮やかな花だが、そうだとしたら特定外来生物で栽培は禁止されているらしい。育てている花が栽培禁止かどうかって、なかなか分からない気がする。「こんな小さな幸せくらい許してあげてよ……」そんな気持ちにさせられた。


自転車をこいで次へ行ってみよう。

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今回もっとも歴史が古そうな集合住宅

なかなか歴史を感じさせるが、すぐ横には幼稚園があり、子供たちの楽し気な声が響き渡っている。近くのスーパーにも活気があって暗い雰囲気はない。

そんな集合住宅の花壇がこちら。

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薔薇が咲いた……!

花の女王・薔薇がきれいに咲いている。

このアパートに住む人たちはつつましい生活をしていると想像されるが、そういった暮らしの中できれいな薔薇を育てあげる心のゆとりに惹かれる。集合住宅の花壇の一番の魅力は、育てている人の心意気かもしれない。

 

子供たちの遊びの邪魔をしたくないので、早々に立ち去り、次へ向かおう。

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26号棟……大きな団地だ

やって来たのはかなり大きな団地。大きいだけあって、花壇も充実しているようだ。

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道行く人の目をなごませる黄色い花たち

僕以外にも、これらの花を見て嬉しそうに足を止める人たちがいる。神代植物公園昭和記念公園は有料だが、通行人たちを癒すこの花は無料。そこに優劣はつけられない。

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こちらはホタルブクロ

その昔、子供たちがこの花に蛍を入れてその灯りを楽しんだことが名の由来らしい。なんとロマンチックな! 僕も花の名の由来になるような遊びがしたいものだ。

それにしても、こういう大きな集合住宅で、植える草花は誰がチョイスしているのだろうか? あと、海外の集合住宅にもこういった花壇はあるのだろうか? 興味は尽きない。


さてさて、次が最後の集合住宅。今日見た中では新しく見える。

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新しめに見えるが錆が浮いている

最後になったのは「僕の家から一番遠いから」というだけの理由だが、ここの花壇は最後を飾るにふさわしい豪華さだった。

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もうすぐアジサイが色づきそうだ

アパートの規模は数棟と小さめだが、花壇が多くあり、どこもしっかり手入れされている。アジサイが満開になるころにまた来てみたい。

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名前は分からないけど鮮やかできれいな花

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ヒラヒラと紫色の花びらがきれい

他の集合住宅では見かけなかった、鮮やかな花がいくつも咲いていて素晴らしい。

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あまりに見事な花園に言葉を失う

極めつけはこちら。薔薇と早咲きのアジサイと、その他何種類もの花が咲き乱れていて感激してしまった。本当にどういう人たちがこれを管理しているのだろう……?

 

結論:ほとんどの花はきれい

有名な花どころに行けないことから思いついた今回の企画だが、想像以上に癒された。

もっと色んな花壇を見て回りたい気もするが、近隣以外の土地の集合住宅をウロウロ見て回るのは野暮というもの。身近に咲く何気ない花をこれからも楽しんでいきたい。

 

END