大うし展

のんびりと草など食べています

色んなバイクカバーをかわいいモンスターにしてみた

※『デイリーポータルZ』の自由ポータルZにてもう一息を頂きました!

 

「何かをきっかけにモノの見え方がガラッと変わった」ことはないだろうか?

ずっと苦手だった野菜をひさしぶりに食べたら予想外に美味しくて、その日からスーパーの野菜売り場を見るのが楽しくなったという話を聞いたことある。好きな女子から初めて優しくされた男子がその瞬間から世界が輝いて見えるようになった、なんてフィクションの描写もあるだろう。

僕はというと、これをきっかけにモノの見え方が変わった。

f:id:CHIKUWA_USHI:20200924180747p:plain

後ろに荷物カゴをつけ、カバーをかけられたバイク

普通のバイクではあるが、なんとなくおかしみがないだろうか?

僕にはこの姿が、何やら今にも動き出しそうな怪しい未確認生物に見えて、興奮のままにパシャリと写真を撮った。以来、街でカバーのかかったバイクに出会うと生き物かモンスターに見えるようになったというわけだ。

生き物? モンスター? と疑問な人は、次の3枚の写真を順に見てほしい。

f:id:CHIKUWA_USHI:20200914182529p:plain

これはバイク

f:id:CHIKUWA_USHI:20200914182534p:plain

これもバイクですよね

f:id:CHIKUWA_USHI:20200924180747p:plain

ほんとうにバイクか!? 急にビクッと動き出さないだろうな!?

どうだろう。カバー無しと比べて流線形のシルエットが生き物っぽく見えないだろうか? さらに生き物っぽさを出すために、お絵描きツールでちょこっと描き足してみる。

 

 

顔とか手足を描き足してみた

f:id:CHIKUWA_USHI:20200924180751p:plain

元気でやんちゃなバイクモンスターになりました

ドラゴンクエスト』のスライム風の顔に、オバケっぽい白い手と、勢いをあらわす風をお尻(ハンドルだけど)に描き足してみた。かわいくなった気がする。

顔をつけたことで、「はやく背中に乗って! どこでもつれてくよ~♪」なんて声が聞こえてきそう。この子が勝手に走ってくれるから楽チンで最高! ……と思ったが、黒いカバーに覆われた前後逆のバイクに大人が乗った姿はかなり怖い。それを見られた翌日にはTwitterに「これが本当の逆走」「くすんだバイクが走り出す」などのワードがトレンド入りするだろう。

もっとゴチャゴチャと描き足すことも考えたが、元の姿をしっかり残したほうが、あらためて街で見たときにニヤリとできそうなのでシンプルを良しとする。

こんな感じで色んなバイクカバーをかわいいモンスターにしてみよう。

 

 

バイクカバーがどんどんモンスターに

さっそく見つけたのがこちらのカバー。中央の水色が印象的だ。みなさんの目にはどんなモンスターに見えるだろうか?

f:id:CHIKUWA_USHI:20200924180906p:plain

関係ないけど、バイクカバーはもっと派手でもいい

ハンドルや全体の波打ちぐあいがダイナミックで、このままでも有機物っぽい。そこにあえて少し描き足すとしたらこんな感じでどうだろう。

f:id:CHIKUWA_USHI:20200924180910p:plain

こう見えませんかね

手をフリフリ、楽しいステップで踊り歩くモンスターがあらわれた。

水色でスライム感が増した。3つめの大陸に生息するスライムの亜種といったところか。かわいいが、「ボク わるいスライムじゃないよ!」と近づかれたら返事に困る。

僕にはこう見えたが、右ハンドルが顔に見えた人もいるだろうし、全体が馬の顔のように顔に見える人もいるかもしれない。カッコいいモンスターにしたい人もいるはず。人それぞれ自由に解釈できるところが面白い。

スライムの代わりに、不思議なウォーキングで一世を風靡したデューク更家の顔にしても違和感なさそうだが、近づかれたら通報してしまうかもしれない。デューク更家バイク。「バイク川崎バイク」か。

 

お次はこんなバイクカバー。だいぶ年季が入っていて、かわいさからは新宿駅西武新宿駅くらい距離があるかもしれない(慣れれば「まぁこんなものッスよね」となるが)。

f:id:CHIKUWA_USHI:20200930150656p:plain

ガムテープがちょっと悲しい雰囲気

ガムテープでふさぎきれない破れに哀愁が漂う。もしこのバイクカバーに「かわいいね」と話しかけたとしても、「カ……ワ……イイ?」と愛を知らないロボットみたいな返事が返ってきそう。よし、ちょっと待ってな!

f:id:CHIKUWA_USHI:20200930150701p:plain

ちゃんとかわいくなりました

ガムテープを「ふさいだ口」に見立て、おしゃべり大好きモンスターにしてみた。「話したいけど誰にも言わないって約束なんだ~! モゴモゴ……」といった感じ。困ったまゆ毛と汗がかわいく、全体のシルエットもチャーミング。やっと話せるシーンではガムテープが勢いよく剥がれるだろう。

それと、よかれと思って周囲に花をちらしてみたが、(こうやって無理にかわいくしようという発想、なんかおっさんっぽいな……)と感じて寂しくなった。

 

 

お次は自転車のカバー。シンプルなシルエットが逆に目をひく。

f:id:CHIKUWA_USHI:20200924180811p:plain

真っ黒でムダのないデザイン。かわいくなるの?

カバーだけでなく、郵便ポスト・家・車も黒で統一されていて、全体にオシャレな雰囲気がただよう。さて、これをどうかわいくしたものか?

f:id:CHIKUWA_USHI:20200924180816p:plain

こんな子でどうでしょう

シュッとしたデザインに合わせてちょっとクールなキャラにしてみた。仲間うちでは一番スピードが速く、自慢の羽で空を飛ぶのも大得意。プライドが高いがじつは良いヤツ。

主人公の少年に「あの子に別れのあいさつしてないんだろ? ほら、乗りな」と言って空港まで連れていってくれるナイスガイだ。その帰り道、夕焼け空を飛んでいるときにカラスの群れにつつかれて、「いててっ! オレはおまえらの敵じゃないって~!!!」のセリフに主人公が大笑いしてるところで、『Get Wild』のイントロが流れ出す(???)。

 

 

さてさて、次は難しい形のカバーだ。ごらんください。

f:id:CHIKUWA_USHI:20200924180846p:plain

前も後ろもでっぱっていて、もう中身がよくわからない

というか、こんな形もあるのかと驚いた。かぶせるとき2回に1回は「あー! また前後逆じゃん!!」と失敗しそう。この形でどうしたらかわいいモンスターになるんだろう。姿がぼんやり見えるような見えないような……

f:id:CHIKUWA_USHI:20200924180851p:plain

このへんないきものは、まだ日本にいるのです。たぶん。

でっぱりが2つあるんだから2つとも頭にしちゃおう。というわけで妙な双頭モンスターが誕生。後ろの子はなかなかご飯が食べられなそうだが、楽しそうなので問題なし。

4本足だからペット感があり、またがってのお出かけも良いかもしれない。普通のバイクでは行けない山なども平気で登ってくれるだろう。

 

 

次のバイクカバーは頭部がとてもわかりやすい。ただ、疑問はある。

f:id:CHIKUWA_USHI:20200924191828p:plain

この位置でしばるのが本当に一番いいの?

目がいくのは上部のしばられた部分。やはりここを頭と考えるのが自然だろう。それにしても、中身は2つのバックミラーだと思うが、こんなに幅せまいっけ……? 折りたたんでいるのかな? とりあえずかわいくしてみよう。

f:id:CHIKUWA_USHI:20200924191832p:plain

ぐるじいよー!!

どうしてもしばったヒモのインパクトが強く、苦しげな表情になってしまった。思わず頭のカバーをやぶって空気を供給してやりたくなるが、それだとこのモンスターは絶命するし、普通に犯罪だ。口の中も紫に変色してかわいそうなので、持ち主さんにはしばる場所を考え直してもらいたいものだ。

 

 

最後のバイクカバーはこちらだが、なんだかすごいことになっている。

f:id:CHIKUWA_USHI:20200930190321p:plain

誓って手は加えていません

何をどうしたらこうなるんだろう? 緑の網を引きずりながら走り、そのまま駐輪したのだろうか? ちょっと謎すぎるが、これは多くの人にこう見えるはず。

f:id:CHIKUWA_USHI:20200930190325p:plain

100日後もひっぱられるワニ

ワニが大切な食糧を食べようとしているのを、あわてて止めようとする兄弟だ。というかこれは色といい形といい、どうやってもワニにしか見えない! ここを通りかかったとき、思わず「ワニじゃん!」と声に出してしまったくらいだ。(ワニ食べたいなぁ)と思っていたら晩ごはんにワニ肉が出てきたときのトーンでだ。

バイクカバーの形も、「一人で引っ張ってもラチがあかないから弟も来た」感が出ていてとってもユーモラスでお気に入りだ。

 

 

結論:バイクカバーはかわいい

1枚の写真からなんとなく始めた記事だが、結果的にどのバイクカバーもかわいくなったのではないだろうか? みなさんも「おっ」というモノを見かけたら、好きなように想像をふくらませると少しだけ楽しいかもしれない。

f:id:CHIKUWA_USHI:20200930133504p:plain

現実に戻されるバイクカバーもあります

END