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オモコロ杯2022で銅賞をもらったよ!

■はじめに

omocoro.jp

6/23(木)にオモコロ杯2022の結果発表があった。
僕自身は去年の銀賞につづいて銅賞をいただけて、ひとまずホッとしている。
ここでは振り返りの意味も込めて、オモコロ杯周辺の話をとりとめなく書いていこう。
後半、ちょっとネガティブな話も書いているのでご注意を……

 

今年は応募総数1024作と昨年の倍以上の応募があったので、「これは銅賞には入るでしょ!?」みたいな作品でも、悔しい思いをしたものがたくさんあった気がする。
フォロワーには文章系で応募した人が多いが、動画や漫画も応募可能だった影響で、相対的に文章系の受賞の門は狭くなっていたかもしれない。

参加したからこそ分かるが、記事なり漫画なり動画を“応募できるレベル”まで仕上げるのってほんとうに大変。僕も中途半端な下書き記事が無限にある。
最後まで完成させるのも大変だし、そこから「よしっ!」と勇気を出して応募するのも大変。それをやれた参加者全員に対して健闘をたたえたいです。拍手。

オモコロ杯に応募する人は、だいたいがオモコロやオモコロスタッフのことが好きなわけで。好きな相手に対して、自分が作ったもの(=自分自身)をさらけ出すのって、すごくしんどい。そこを乗り越えただけでも偉いなぁと思う。

良い結果だった方も悔しい結果だった方も、とにかく皆さまおつかれさまでした。

 

 

■今回応募するにいたった流れ

僕は昨年、『世界初!? 山崎製パンの「黒糖まんじゅう」がきれいに剥けました』という記事で銀賞をいただけた。

chikuwa-ushi.hatenablog.com

今年は『ベルキューブマリオが走る!飛ぶ!』という記事で銅賞。

chikuwa-ushi.hatenablog.com

(去年より上の賞だといいな……)と欲が出ていたので寂しさもあるが、2年連続受賞できたことは素直に嬉しい。というわけで、今年応募するにいたった経緯を書いてみる。

 

昨年1月のオモコロ杯銀賞のあと、半年後の8月ごろにはデイリーポータルZでライターデビューもさせてもらって。
そのころは無職をエンジョイしていたので、記事作りに向かうガッツも時間もあった。

ところが、デイリーポータルで記事が公開されるのとほぼ同タイミングで就職が決まった。そうなると新しい仕事もなかなか大変で、次の記事を書く気力も湧かず……。
そして、良いことではあるが、最初に書いた記事が担当編集者さん曰くスマッシュヒットと言えるくらいには読んでいただけて、なんとなく満たされちゃったところもあって次の執筆に向かえずにいた。

担当編集者さんには「とりあえず3本書いてみてもらえますか」と言われていたが、そんな理由で中断したままだ。
今はすこし余裕が出来てきたので「またよろしくお願いします」と連絡しようと思っているのだが、それがなかなか出来ずにズルズル……と今にいたる。断られたら辛いし!

 

そんなわけで、ネタ記事・オモシロ記事みたいなものをずっと書けていなかったので、自分のなかで記事を書くリハビリにしたかったのが今回のオモコロ杯だった。

 

 

■応募はしたものの……

それなら、ガンガン気合い入れて時間をかけて超力作を書かんかい!と思うが、そこは伝統の「夏休みの宿題は8月最終週にやる」スタイルが出てしまって。
応募締め切りが5月8日で、ベルキューブチーズ自体は4月の中頃には買っていたが、ようやくちゃんと書き始めたのはゴールデンウィークに入ってから。

で、結局、完成度で言えば70%くらい。ここからいよいよ盛り上がるぞ!!というところで終わってしまった気がしている。
文字数は3000文字も無くて、色んな応募作と見比べてもボリュームがかなり少なめではないかと(それが良さとも言えるけど)。

もっとやれたかもな……

理想を言うと、もっといろんなGIFアニメを足せたら良かった。「どんだけ手間をかけてバカなGIFアニ作ってるの?」っていう。
たとえば、マリオの足元のチーズから頭のほうにどんどん剥けていくとか。
そういうベルキューブの特性を活かしたコマ撮りアニメとか、他にもストーリー性があって笑えるものを作れたら良かった。ストーリーにキレイな落ちもちゃんとあって。

スーパーマリオの1-1のマップも敵も全てベルキューブで再現して、スタートからゴールまでをGIFアニで……とかも考えていたが、さすがにチーズの量もかかる時間も現実的ではなく、かけた手間ほど面白くなるとも思えなかったのでお蔵入り。

オモシロに昇華できて初めてその努力や手間暇が評価できるのであって、たんなる“努力賞”みたいな作品はちょっと違うかな、と。

とにかく、理想とは遠いままタイムアップで応募したわけだが、それでも去年の感触からいえば銀賞はもらえるかな、という気分でいた。……しかし甘かった。

甘いですよ~~!!!

 

 

■レベル底上げの理由とは?

審査員のみなさんやTwitterでもいろんな人が言っているが、今回は応募作のレベルが全体的に底上げされている気がする。底上げの大きな理由は2つありそうだ。

ひとつはもちろん、応募総数の増加によるものだろう。
記事以外にも漫画、動画が応募できたことで色んな才能が集まったんだと思う。

もうひとつは、オモコロ杯が毎年開催されているから。
たとえばデイリーポータルZも数年にいちどコンテストを開くが、数年前の結果って正直なところあんまり覚えてない(オモコロ杯の場合は上書きされる形で数年前の記憶が薄れていく)。

dailyportalz.jp

↑ 今デイリーの主力としてガンガン書いてる方々が受賞している
オモコロでおなじみのJUNERAYさんや鬼谷さんの名も!

 

でもオモコロ杯は毎年やるから、前回の記憶が鮮明なまま次が始まる。
JUNERAYさん、金輪財 雑魚さん、BIGSUNさんのトリプル受賞をまだ多くの人が覚えているだろう。
だから今回応募した人も、前回を強く意識して参考にして、それを越えようと考える。それが応募作品全体のレベルアップに繋がっているんじゃないだろうか?

 

一方で、今回の審査員のコメントとして「やりすぎ」「ボリュームありすぎ」「削る勇気も必要」といったものを見かけたが、たしかにボリューム満点の作品が多かった…!画面右のスクロールバーの小さいこと小さいこと……。
これは毎年の開催が良くない方向に影響した結果な気がする。
去年のを超えなきゃという気持ちが強くなりすぎちゃって、どうしてもアレもコレも詰め込んでどんどんボリューミーになってしまう。足す方向に進んでしまう。

 

今回の優秀賞のひとつ『インターネットユーザーのための、クイズで学ぶ「ライティング」入門』は比較的あっさりだったが、これは審査員からの「長いばかりが良さじゃないぞ」みたいなメッセージもあったりするのかな、なんて少し思ったり。

note.com

もうひとつの優秀賞『図書館の資料修復技術を駆使してカピカピになったポイ捨てエロ本を蘇らせる』は大ボリュームだったが、あれはネタを詰め込みまくった結果の長さではない。必要な長さであって、それが良かったのだと思う。

shugou17.hatenablog.com

 

 

デイリーポータルZには「自由ポータル」がある

オモコロとの比較対象として、デイリーポータルZの話をしておこう。
デイリーポータルZでの大きなコンテスト開催は数年に一度あるかないかだが、その代わり毎週金曜日に「自由ポータル」という記事投稿コーナーがある。

dailyportalz.jp

すごく良い記事は「入選」、おしい記事は「もう一息」としてピックアップしてもらえるシステムだ。
そして入選を5回獲得するとライターとしてデビューができて、僕もこれ出身。
自由ポータルの良いところは、記事をピックアップしてもらえると、編集者さんから丁寧な添削コメントがもらえるところだ。

 

たとえば……
「顔写真が多すぎて読んでいてすこし疲れちゃうので、ここぞという数回に抑えたほうが良いかもしれませんね」
「記事の目的が読み手に伝わるまでにかなりかかるので、冒頭でスパッとテーマを伝えてから、次の段落で詳細を説明していくのがオススメです」
といった具合。

本当に明快に、納得のアドバイスをしてくれる。
僕もピックアップしてもらうたびに「なるほどー」と次の記事の参考にした。さらに、他の人が受けたアドバイスも参考にしまくった。
他の人は僕とは記事の方向性が違うので、受けるアドバイスもまったく違う角度なのがポイント。僕には引き出せないアドバイスなのだ。
角度は違うが、内容的には僕にも刺さるし勉強になる。ありがたすぎる。

 

なにが言いたいかというと、次のオモコロ杯に挑戦しようとする人は自由ポータルで腕試ししてみると良いのでは? という提案だ。何しろ毎週ウェルカム。

「年一回のオモコロ杯にすべてを賭ける!」もロックで良いが、「年一回のオモコロ杯のまえに出来ることはすべてやる!」もまた本気な人の行動ではないだろうか。

もちろん、オモコロとデイリーではサイトも記事のテイストもぜんぜん違うので、オモコロ杯の完全な対策になるわけではない。オモコロ読者からしたら退屈なサイトかもしれない。ただ、自由ポータルの受け皿は思った以上に幅広い。
チャレンジングなネタも意外とピックアップしてもらうチャンスがある。

 

 

■自分にも自分の作品にも審査員にも敬意を!

去年の振り返りでも書いたが、黒糖まんじゅうも元々は自由ポータルで「もう一息」だった記事。それをアドバイスを元に調整した結果、オモコロ杯で銀賞を獲った。

なんでこの地味で“もう一息”な黒糖まんじゅうの記事を送ったかというと、好きな記事だったからだ。地味だけど、もう一息で終わるものじゃないぞ! と思っていた。

その結果、原宿さんやARuFaさんに「生活のこのレベルの話って妙に面白いですよね」とか「この温度感のあるある、なかなか気づけないのですごい!」と言ってもらえて嬉しかった。

 

やっぱり、自分の作ったものを愛するってすごく大切。
結果発表後のTwitterを見ると、「まあどうせ俺のが選ばれるわけないわな」とか「やっぱり私のなんかつまらないよね」みたいなツイートをしている参加者がいる。
自分の心を守るための言葉なのは分かるが、審査員も時間を割いて読んでくれてるわけだし、反応を確かめるためにツイートも検索しているだろう。「つまらないと思って送ってたの?」と思わせるのは、すこし失礼な気がしてしまう。

昨年のオモコロ杯の振り返りで、金輪財 雑魚さんに対して恐山さんが「こんなに面白いのに、今の時点で0ツイートです」と言っているが、そういうSNSチェックはメディアとして当然する。
そういった意味でも、露悪的なツイートは少しひかえて、自分にも自分の作品にも審査員にも敬意をはらうのが良いんじゃないかな……とマジレスアドバイス
どうしても「絶対に本音ぶちまけていきたいぜ!」という人は、応募用のアカウントを作って感情を吐き出すのは他でやるのが良いかも。

ふと思うのは、オモコロ杯にしっかり向きあって成長してない人っていないんじゃないだろうか?
真面目な作品でもバカバカしい作品でもそうだと思う。もちろんオモコロ杯に限らない話でもある。悔しくなるくらい感情が動くのって尊い。だから、「今回ダメだったけど、すこし成長はしたよね」と自分に言ってみてほしい。

 

あ、失礼な話といえば、3月の時点で「応募しました!応募させてから完成させます」的な声も見かけたが、これ良くないのでは~?
応募されたものからどんどん読まれるだろうし、未完成なものを読まされた審査員は「えーっと……どゆこと?」と戸惑ったことだろう。

応募後に気づいた誤字・脱字をちょっと修正するくらいは仕方ないと思うが、「未完成だけどひとまず送る!」は意味がわからなすぎるし、誰も得をしないので来年はやめましょう。

“作品のURLを送る”という手軽さが生んだ、今の時代ならではの間違いかもしれない。

 

 

■おわりに

大マジレスばかりで長くなってしまったのでここらで終わり!

他作品に対する感想も書きたかったが、長くなりすぎてしまったので別エントリーで行う予定です。ちなみに、僕の来年の参加は……ちょっとまだ未定。応募したほうが良さそうな状況なら応募するのかも。

あらためて、審査員の皆さまありがとうございます。参加された皆さまおつかれさまでした。

 

END