大うし展

のんびりと草など食べています

「ピグ寄席」という大喜利があった

こんにちは、ちくわうしです。
今回は大喜利について書いていきます。

僕は今、『大喜利茶屋』というサイトをメインにネット大喜利を遊んでいますが、実はネット大喜利を始めたのは10年近くも前です。
なつかしき、PC版『アメーバピグ』(以下「ピグ」)の“寄席エリア”がスタートでした。
このエリアでやる大喜利「ピグ寄席」がものすごく楽しかったという話をしようかと。

なお、画像については自分で所持したものがなかったので、基本的に引用させていただきました。ありがとうございます。

そもそも、ピグを知らない人もいると思うので、まずは簡単な説明から。
ピグというのは、好きなアバターを作って、仮想空間で生活やゲームを楽しめるコミュニティサービス。
今でいうメタバースの2D版みたいなものでした(メタバースはどうなった……)。
一番やれることの多かったPC版は、数年前にシステムの都合でサービスを終了しました。

画面はこんな感じ。様々なエリアがあった ※「IT media」より引用

どう森』のように自室のカスタマイズが可能 ※「MdN DESIGN INTERACTIVE」より

 

その中の寄席エリアは『笑点』をそっくり真似たスペース。司会席があり、回答者席として座布団が6つ並べられ、そして観客席がひろがる部屋です。

このピグ寄席の良さは
SNS的なコミュニティの楽しさ
② ネット大喜利のハードルの低さ
③ 生大喜利が持つリアルタイム性
これらを合わせ持つところにありました。

寄席エリア ※「おもろい無料ゲームで遊ぼう!」より

 

ピグ寄席の大喜利は、以下のような流れで進んでいきます。

① 司会をやりたいユーザーが司会者席に座る
※お題の用意、回答者の指名、ツッコミまでこなす、負担が高くて難しいポジション
※難しいので上手くできる人は人気があり、回答者席がすぐ埋まる

② 座布団席にユーザーが座る
※べつに6席ぜんぶ埋まる必要はない

③ 司会者がお題を出す
※慣れた司会者は、開始後にエリアに入ってきたユーザーのために定期的にお題を反復する

④ 回答者が挙手して司会者が指名する
※人気司会者のときは観客席のユーザーも参加しようと挙手しまくる

⑤ 回答者がボケを発表して司会者や観客がツッコミ(orリアクション)をする
※面白さに比例して「w」の量を増やす文化があった

⑥ ③~⑤を繰り返す

司会がお題を出し、回答者がボケたところ ※「さくらカフェ」より

お題が盛り上がればいくらでも同じお題が続くし、流れも天丼もある。挙手が湿りがちなら、サッサと次のお題に進んでまた盛り上がる。

こういった自由度の高さは、まさに”生大喜利“そのままで、今のネット大喜利のどれとも似ていない特殊な空間でした。

 


さて、ピグ寄席ではどのくらいのレベルの大喜利が行われていたのでしょうか?
これは正直に客観的に見ると、そこまで高くはなかったと思います。

司会のつたないタイピングで進行し、ボケづらいお題が出て、大喜利に慣れていない人によるほとんど笑いが起きないボケが繰り返される時間もたくさんありました。

しかし、質の高い司会者と質の高い回答者がそろった時は、爆笑につぐ爆笑が生まれていました(もちろん、身内ノリ的な笑いもあったことは否定しません)。

 

ピグ寄席のレベルを説明するのは難しいですが、ひとつの例として当時の常連にはこんなメンバーがいました。

長く大喜利をやっていれば誰もが知っている実力者のすかいどんさん、ブルックスさん辺りは本当によく見た顔。
関西の生大喜利で活躍するあふろだんぺ~くんも常連。同じく関西でアマチュアお笑いライブを主催する、中岡フェニックスさんともよくご一緒しました。
『オモコロ』のダ・ヴィンチ・恐山さんが参加していたというのも近い時期だったと思われます。

他にも、僕が認識していないだけで今も大喜利に真剣なピグ寄席仲間がいるはず。と考えると、ピグ寄席の中にもはっきり面白いと言える大喜利もあったんじゃないかなぁと思います。

 

ピグ寄席の動画がないかを探していたら、寄席エリアではないのですが、寄席の常連メンバーがプライベートルームに集まって大喜利をしている動画があったので紹介させてもらいます。
「あふろだんぺ~生誕記念ライブのサブタイトルは?」という、身内感あふれるお題ですが、ピグでやる大喜利の雰囲気が伝わるかと思います(1:00〜)。

www.youtube.com

 

ちなみに、今の僕はとくに目立った特徴もない凡百中の凡百なプレイヤーですが、ピグ寄席時代は完全に全盛期でした。
ボケもキレ良くガンガン出せましたし、司会としても人気があり、座布団がすぐに埋まりました。

今もお題作りが好きなのはこの時代のなごりです。お題に対する回答者の反応が分かりやすく、自分がツッコミをしなきゃいけないので「こういうお題だと初心者でも答えやすくて、なおかつ浅くなりすぎない」みたいな感覚がすごく鍛えられるのです。

 

隆盛を誇った大喜利サイト『大喜利PHP』のメジャーでも優勝できましたし、ほんとうに過去の栄光という感じですね。
そのころの大喜利PHPは、スカイハイさんがスペシャル全盛期で、きまぐれさんや三つ巴さん、副編集長さんなど今も活躍する名プレイヤーがうようよいた頃です。

ちなみに、ピグで親しかった人のことは今Twitterでほぼフォローしていないんですが、それは気恥ずかしいからです。若気の至りみたいな行為・発言もありましたしね……。

 

 

さて、お祭りはいつまでも続きません。
僕も他のことに忙しくなったからか、ピグ寄席に顔を出す日がすこしずつ減っていき、大喜利PHPもサービス終了してしまい、大喜利から完全に離れてしまいました。
そして一気に時は流れ、約10年後、大喜利茶屋に出会い今にいたります。
ブランクもすごいし歳もとったし、「昔はよかった……」と泣きながら微妙なボケを出すだけの毎日ですが、やっぱり大喜利って楽しいな、と思います。

 

ピグ寄席は、サービス終了した今でも、あの空間でまた大喜利がしたいと頻繁に思うくらいには魅力的な場所でした。
僕が一番ハマっていたころは、毎晩ここで何時間も取り憑かれたように大喜利をしていたものです。
ネット大喜利人口も増えて、『ボケルバ』のような一般人でも生大喜利が楽しめる舞台もある今だからこそ、ピグの寄席エリアのようなサービスがあったらめちゃくちゃウケると思います。
できることは協力するので、誰か本当に作ってほしい。簡易版でも良いので。

 

それでは、また大喜利で会いましょう。

END