大うし展

のんびりと草など食べています

流行語も相撲の「決まり手」に置きかえれば中高年にも理解できるはず

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あの流行語も決まり手になりました

若者の流行語がわからない

先日、今年流行ったという若者言葉を見ていたら知らない言葉がいくつかあった。ここでサクッと検索して意味を知るのは簡単だ。しかし、僕をふくむ"若者とは言いづらい層"にわかる何かに置きかえたほうが、「そういうことか!」と納得できそうな気がする。

そんなわけで、流行語を "相撲の決まり手" で表現してみることにした。

 

勝たん? キュン? ぴえん? ぱおん? 

今年も流行語の発表があった。ユーキャンの「新語・流行語大賞」を見ると、知っている言葉が多くてホッとする。ところが10月にユーキャンパスユースから発表された大学生流行語大賞2020年度上半期のほうを見ると雲行きがあやしい。

とくに、最後の「コトバ」部門で画面のスクロールが止まるのだ。

 

大学生流行語大賞 2020年度上半期ランキング 「コトバ」部門 TOP10
・密です
・○○しか勝たん
・ソーシャルディスタンス
・三密
・おうち時間
・ぴえん
・キュンです
・おうちカフェ
・濃厚接触
・ぴえんこえてぱおん

 

勝たん? キュンです? ぴえんこえてぱおん……?

若者が日常的につかう言葉となると用法・用量がわからなくなる。もし若者と話すとき、知ったかぶって恥をかくのはかなりキツい。お店の順番待ちでやっと名前を呼ばれたのに後からきた同じ名字の人に「はいっ!」と返事をされたときくらいキツい。

 

おうちカフェ

勝たんキュンです

ぴえんこえてぱおん

思いつきで俳句のように並べたら、さらに意味がわからない。「勝たんキュンです ぴえんこえてぱおん」とリズムよく声に出すと、文明閉化の音がゴゴゴゴ……と聞こえてくる。

この事態をなんとかするため、若者より中高年のほうが詳しそうな、相撲の「決まり手」に置きかえてみた。みなさまもいっしょに若者への理解を深めましょう。

 

【 密です 】

4月上旬、小池百合子都知事が取材陣に言った言葉。使い勝手のよさからSNSでもリアルでも若者にウケたのだろう。たしかによく見た言葉だし、小池都知事そのものが上半期のトレンドという気もする。すでに知っている言葉だが、練習もかねて決まり手にしよう。

 

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5人はマズいだろう。取り組みで身体が触れ合うのはしかたないにしても、5人はマズい。これは決まり手「密です」となる。よく見ると、立ってるだけの力士がいるのも印象点にひびく。ここは小池都知事に行司をまかせ、きっちり裁いてもらいたい。

 

【 〇〇しか勝たん 】

問題の「勝たん」だが、〇〇を埋めれば意味がわかるだろうか? 「内村航平しか勝たん」「藤井聡太しか勝たん」。勝利といえばこの人という名前を並べてみたが、ニュアンスは数年前に流行った大迫ハンパないって!」に近いのかもしれない。つまりは、こういう感じだろうか。

 

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例の人の顔になってしまった。とにかく、力士が負けた瞬間「〇〇しか勝たん!」と相手力士を褒め、顔が変化したらこの決まり手。負け力士が主役のレアな決まり手で、正直、録画して何度でも観たい。

 

【 ソーシャルディスタンス 】

お次はこちらの言葉。新しい生活様式とともにかなり定着した印象だ。ちなみに、元々は心理的距離を意味する言葉だそうだ。心理的距離での勝利……こういうことか。

 

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「近づかないでほしい」、相手のそんな想いをさっして思わず土俵から足が出てしまう。それが決まり手「ソーシャルディスタンス」だ。取組後、LINEで「なにか傷つけるようなことしたかな……?」と送っても既読もつかず。恋も相撲も終わりはいつもあっけない。

 

【 三密 】

三密ももちろん知っている。一時期は毎日のようにメディアで目にした言葉だ。しかし、その3つが何だったかはすでに忘れている。身についたから、ということにしておこう。決まり手としてはこう考えるのが自然か。

 

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「三密」は2人の力士と行司が密着してなにがなにやら、という決まり手。行司のポーズはなんなんだ。ここまで読んできた皆さんには予想できた決まり手かもしれないが、それは若者を理解しつつあるということなので自信にしてほしい。

 

【 おうち時間 】

おうち時間も若者向けの言葉ではないからわかる。外出自粛で増えた、家で過ごす時間のことだ。わかっている言葉だが決まり手にしよう。なぜならここは僕の土俵だから(?)

 

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土俵の上でまるで実家のようにくつろぐワンシーン、それが決まり手「おうち時間」だ。おたがいにまったく気を使っていない空気感がすばらしい。「おまえら何しに来たんだ」「勝敗は?」そんな外野の声は無視して、2人だけの時間を楽しんでほしい。

 

【 ぴえん 】

こういう創作ワードはいかにも若者言葉っぽい。おそらくは「びえ~ん」という昔からの泣き表現をかわいくした言葉で、「期末テストマジでぴえん!」のように使うのだろう。決まり手としてはもちろんこうだ。

 

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きっかけはどうあれ、とにかく相手が泣いたら決まり手「ぴえん」になる。時には勝った力士がとまどうレベルの大泣きや、もらい泣きで両力士が号泣というパターンもあるが、あたたかい目で見守ろう。

 

【 キュンです 】

正直、本当に見たことがなくて意味もわからなかったのがこの言葉。キュンだから、胸がしめつけられるような気持ちを表しているのだろうか? そうなると、こういう技か。

 

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物理的に胸をしめつけてしまった。決着の瞬間、行司がマジメな顔で「キュンです~!」と大声で言ってるのを想像すると笑ってしまう。「キュンです」からの「ぴえん」などの決まり手コンボももちろんOK。

 

【 おうちカフェ 】

土俵の上でおうちカフェとは……? これは難解なようでシンプル。見ていただこう。

 

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相手をうまく利用しての優雅なカフェ&読書タイム。人の足の裏だって、使い方しだいでオシャレなカウンターテーブル。王様のブランチで紹介されても違和感のない決まり手、それが「おうちカフェ」だ。その日以来、相手力士は「スタバ丸」と呼ばれるなど、肉体以上にメンタルをむしばむ技だ。

 

【 濃厚接触

そもそも相撲自体が濃厚接触のかたまりとも言えるが、感染対策のガイドラインを作り、力士たちがそれらを厳守することで競技再開の理解を得ている。では、理解を得られない濃厚接触はどういうものかというと、こうなる。

 

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この顔の距離で音符が出てしまったらダメだろう。しかも、この時間を楽しむかのような浮かれた足。これでは国民は納得しないはず。決まり手「濃厚接触」で同体(引き分け)取り直しだ。次こそは真剣な一番を期待したい。

 

【 ぴえんこえてぱおん 】

そもそも「ぴえん」の意味もはっきりしないが、おそらく泣きたい気持ちのはず。それを超えてぱおんということは、決まり手で表現するとこんな感じだろうか?

 

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寄り切られて泣いている力士を、ゾウのポーズでパオンと煽り追いうち。これは決まり手「ぴえんこえてぱおん」で間違いない。寄り切りはどこ行った? という素朴な疑問は横綱審議委員会にぶつけよう。とりあえず、若者言葉の相撲界は力士がよく泣く。

 

まとめ

中高年にもわかるようにと、若者の流行語を相撲の決まり手に置きかえてみたわけだが、いかがだっただろうか? 個人的には、若者も相撲もわからなくなった。

やはり言葉は言葉として考えるのがよい。だが、中高年が若者言葉を理解したころには、若者はさらに次の言葉を使い始めていて一生追いつけないわけだが。ぴえん。

 

END